第6回河合隼雄物語賞
〈選考委員〉上橋菜穂子 小川洋子 後藤正治 中島京子 (五十音順)
□授賞作□
『光の犬』
2017年10月 新潮社刊
松家 仁之(まついえ まさし)
□著者略歴□
小説家・編集者
1958年、東京生まれ。82年、新潮社入社。新潮クレスト・ブックス、季刊総合誌「考える人」を創刊。「芸術新潮」編集長兼務ののち、2010年退職。12年、長篇小説『火山のふもとで』を発表。同書で読売文学賞受賞。17年『光の犬』刊行。同書で芸術選奨受賞。小説作品に『沈むフランシス』『優雅なのかどうか、わからない』、編著・共著に『伊丹十三の本』『新しい須賀敦子』、新潮クレスト・ブックス・アンソロジー『美しい子ども』など。15年、雑誌「つるとはな」創刊に参加。『須賀敦子の手紙』、伊丹十三『ぼくの伯父さん 単行本未収録エッセイ集』を編集・刊行。2016年、写真展「星野道夫の旅」の企画・制作をつとめる。
□授賞理由□
ありふれた一族の歴史を題材にしながら、歳月や、人間とはなにかを深く問いかけ、抑制的に言葉を積み重ねて、意図せず静謐な物語が立ち上がってくる作品である。
□受賞のことば□
物語の重要性と、個人が社会の中で生きることの難しさを考え続けてこられた河合先生は、小説を書く私にとってメンターのような存在です。受賞のお知らせは大変光栄で、ありがたく思います。
※正式な受賞の言葉や選評は「新潮」2018年8月号(7月7日発売)誌上で発表されました。