中之島香雪美術館での特別展「明恵の夢と高山寺」にて、

河合俊雄代表理事が「明恵の夢と現代にとっての意味」という題で4月18日(木)に講演を行いました。

 

 

 

明恵については、河合隼雄が『明恵 夢を生きる』を著していますが、

この講演はそれを踏まえつつ、明恵の夢における分離と象徴性に焦点を当てました。

 

古代や中世の夢は、神のお告げだったり、正夢として現実につながったりして、

非常に直接的なものが多いです。

それに対して明恵の夢には直接的でない象徴性が見られます。

それには「戒」を守り、また乳母の死の夢に現れているように、

母なるものからの分離ができていたことが大きい、という話でした。

そして一度分離されたものに、違う次元で再びつながろうとするために、

明恵の夢では、日本人には少ないとされる女性像が多く登場するとのことです。

 

 

この分離とつながりの関係を、ユングの「結婚の四位一体性」の図式で説明し、

最後は村上春樹にまで話が及びました。

 

会場には定員いっぱいの250名もの方々に訪れて頂き、また、熱心に講演を聞いておられました。

残念ながら、抽選漏れになった方々のためにも、

この講演がどこかで出版されることを財団としても願っております。

その際には、また皆様にもご案内させて頂きます!

ご来場、誠にありがとうございました!