2005年に五月書房から出版された『過保護なくして親離れはない』
絶版になっていたのですが、このたび出版芸術社より復刊されることになりました
出版社のページには著者は「伝説の臨床心理学者」と書かれています・・・(密かに笑・・・)
が、ともかく河合隼雄が子育てについて語った本で、講演がもとになっています。
第2章はQ&Aとして、一般の方からの質問に河合隼雄が答える形になっています。
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子どもを叱って、言うことを聞かないときや、うまくいかないときは、
たいてい大人がどこか間違っています。子どもはよく見てます。
そのときは、どこがだめか子どもに聞いてみたらいいでしょう。
そこからまた新しい関係ができます。
(中略)
今は、自分の子を勉強も何もかもよくできるようにしようと思いすぎて失敗している方が多いのです。
このさい、みんなでよく考えて、ちょっとぐらい悪いことをしても、ケンカしてもいい、
でも、ある線を越えたときには、絶対いけないという気持ちが大事ですね。
ある程度悪いことをしないと、人間は成長しません。
(本書p.133より引用)
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「子育て」とは不思議な言葉で、親が子どもを育てているという、一方的な言葉にも思えます。
でも実際には親子関係は共につくるもの。
人間と人間のつきあいだから、そんなに単純にはいきません。
少し目線を変えてみると、難しい、苦しい、どうしよう、という中にもおもしろさや幸せが生まれてくるかもしれない、
河合隼雄のそんなメッセージが感じられるような一冊となっています。
ライトなので「はじめての河合隼雄」としてもオススメです。