毎年、春に児童書出版社15社によって
学校図書館に向けて制作されているカタログ『おもしろい図書館』に
当財団代表理事の河合俊雄のインタビューが掲載されました。
このインタビューでは、絵本館の代表である有川裕俊さんが聞き手となって
河合家と本の話が広がっていきます。
河合隼雄がとても本の好きな子どもだったこと、
男の子は外で遊ぶものという時代に、”自然派”ではなかったこと、
隼雄は本を読んでいいと親や兄弟が理解し、守ってくれたことなど
自由で平等な河合家の様子から話は始まります。
そのように土から遠い隼雄が「驚異の雨男」であった話から、
さらに話は盛り上がり、
絵本の世界にも「子どもを導きたい」などという人が多いけれども、
おもしろいということ、不気味なもの、不思議なことなどが大事ではないかということが指摘されます。
河合俊雄が子どもの頃、自分で選んだ本よりも
親が選んだものの方が(残念ながら)おもしろかったという話も、興味深いですね。
そして、葛藤することがこころを育てること、
日本に特有の症状である「対人恐怖」が少なくなり、
いまの社会にはどのような課題や問題があるのか、
人のこころや関係がどのように変わってきているのかについても話はおよびました。
河合隼雄のとりあげている「ふたつよいことさてないものよ」という言葉は
まさに葛藤することが大事ということを示唆していて、
最後は有川さんの「なるほど。矛盾と期待を両方抱えていくのがいいのか」という言葉でインタビューは締めくくられました。
「河合隼雄のとびきり笑顔3選」として笑顔の写真が掲載されていたりなど、
とても楽しいインタビュー記事になっています。