これは先月復刊された『臨床家 河合隼雄』とともに、2009年に河合隼雄を追悼して刊行されたものです。

岩波現代文庫『思想家 河合隼雄』表紙

 

河合隼雄は心理療法を専門としていましたが、臨床からつかんだこころの本質、日本人のこころのあり方について、神話や昔話などの材料を駆使しつつ、多くの著作を生み出し、世に問うていました。

それは「思想」と呼ぶことができるのではという発想から生まれたのが本書です。

 

中沢新一氏、鷲田清一氏、赤坂憲雄氏などの様々な学術ジャンルでの大家が、河合隼雄の思想について考察していて、改めて河合隼雄の視点のおもしろさや深さがクローズアップされています。

 

復刊にあたっては、2015年に第3回河合隼雄学芸賞を受賞された大澤真幸氏による「河合隼雄の『昔話と日本人の心』を読む」と、河合俊雄代表理事による「読書案内-河合隼雄の思想を知る10冊」が新たに所収されています。

 

岩波現代文庫『思想家 河合隼雄』(中沢新一・河合俊雄編)のページです。

https://www.iwanami.co.jp/book/b358694.html