『河合隼雄語録 カウンセリングの現場から』河合隼雄(河合俊雄編)が、
岩波現代文庫から出版されました。
本書『河合隼雄語録 カウンセリングの現場から』は、
2010年、岩波書店より刊行された『生きたことば、動くこころ 河合隼雄語録』を改題したものです。
しばらく品切れになっていましたが、『臨床家 河合隼雄』、『思想家 河合隼雄』に続き、
河合隼雄生誕90周年を記念して復刊されました。
河合俊雄代表理事による「現代文庫によせて」に説明されているように、
本書は、京都大学大学院臨床心理学教室における心理療法の事例検討会での、
河合隼雄のコメント(1974-76年)を、当時の院生が記録したものが元になっています。
事例検討会においては、個々の心理療法の重要なポイントが詳細に扱われ、
必然的に個人情報にふれる部分が多いです。
しかし個別の事例を越えて一般論として大切なことが論じられることもあり、
それは公開可能なところもあります。
この本は、個別の心理療法の事例での具体的な部分ではなく、
河合隼雄が事例検討会で一般論として述べたところだけを抜粋しているものです。
それが実際の事例のことがわからなくても、とてもインパクトを持つのです。
そのため、専門家でない読者にとっても、こころの働きや人間関係を理解し、
生きていくためのヒントが含まれていると思います。
短い項目から成り立っているので、もちろん最初から読まれてもよいですし、
おもしろそうな項目を拾い読みしても、楽しんでいただけるのではないでしょうか。
岩波現代文庫
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