今日6月23日は河合隼雄の誕生日です。
河合隼雄の誕生日を期に、
例年同様この1年で出版された河合隼雄関連の本をご紹介します。
昨年9月に、「中年クライシス」のタイトルを改めて、
『中年危機』(朝日文庫)が出版されました。
一つの考えや方法を貫くことでは太刀打ちできなくなってしまった現代。
この時代に生きる私たちが、
まさに直面している「危機」への向き合い方を考えさせられます。
また、今年の4月には、『宗教と科学の接点』(岩波現代文庫)が
文庫となって復刊しました。
現代に生きている人びとが、
宗教と科学のように、隔たり、
対立する「接点」でぶつかり生じてくる難解な問題について、
河合隼雄は心を寄せ続け、向き合い続けました。
これらはまさに、今世界中の人々が直面している
諸問題との向き合い方に通じるものではないでしょうか。
5月にSTANDARD BOOKSシリーズの1冊として発刊された
『物語とたましい』(平凡社)は、
河合隼雄の知とたましいの探究の思索の軌跡を、
新しい視点と構成で とり上げられた本です。
今もなお、ハッと気づかされる言葉や文章に出会い、
それに刺激されるに違いありません。
またこの1年は、海外で中国語訳が多数出版され、
河合隼雄の著作が、ますます世界で読まれ親しまれていることはたいへんうれしいことでした。
ページをめくる中で、
今を生きる私たちになお新しい発見に出会えることを願いつつ、
これからも引き続き河合隼雄関連の本を紹介していきます。
まだまだ先の見通しづらい状況は続きますが、
穏やかな日々が一日も早く訪れますようご祈念しつつ、
この一年もどうぞよろしくお願いいたします。