7月19日は河合隼雄の命日です。
雨男と呼ばれた河合隼雄の命日は、しばしば雨模様で迎えることも多いですが、
今年は真夏の強い日差しと蝉時雨が降りしきる中で迎えることとなりました。
この1年を振り返ると、
安野光雅さん、兄・河合雅雄、そして立花隆さんなど、
河合隼雄と親しかった方々が亡くなりました。
当財団ホームページのアーカイブでも
それぞれの方々との深い関わりの一端を垣間見ることができます。
↓
==安野光雅さんのエッセイ「逢えてよかった」(2013年1月21日)
https://www.kawaihayao.jp/ja/information/magazine/90.html
==河合雅雄ご逝去にあたっての追悼文(2021年5月16日)
https://www.kawaihayao.jp/ja/information/other/2745.html#more-2745
==立花隆さんらとの共著『読む力・聴く力』復刊の紹介(2015年10月18日) https://www.kawaihayao.jp/ja/information/publication/978.html
河合隼雄は彼らとの対話や関わりを通して、
自然の圧倒的な力、死の圧倒的な力などについて、
それらにとことん深く分け入るように関わりつつ、
一方で、しっかりとした「意識」によってそれらと距離をとりながら、
慎重に見据えていく態度で取り組んでいたように思われます。
あの世で再会を果たし、河合隼雄と彼らとどんな対話をしているのでしょうか?
現在や未来のわれわれを取り巻く世界の行く末についても語り合っているのでしょうか?
河合隼雄の命日にあたり、河合隼雄のあの世での語らいを、
わたしたちはただ思いめぐらせることしかできません。
ですが、その思いめぐらせる物語によって、
その物語に守られながら、
あの世や別次元の境界地点のぎりぎりにまで歩み寄り、
日常とは異なる視点から 私たちの世界を見ることで、
きっと新しい発見があるにちがいありません。