賞の創立以来、河合隼雄学芸賞の選考委員をつとめてくださっている中沢新一さんの新刊
『虎山に入る』(角川書店)。
こちらの中に、河合隼雄への追悼文が2篇収録されています。
冒険者たちへのレクイエム の中に収められた
「日本人のたましいの形」
「チェシャ猫は笑いだけを残して」
河合隼雄に手向けられた、ことばのひとつひとつの熱量に
圧倒される思いがします。
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自分の頭で考え納得したものでなければ、いかなる力にも服従しない、
というのがポール・ヴァレリーによるアナーキズムの定義である。
この定義によるとき、河合先生はまぎれもないアナーキストだった、と私は思う。
先生は古代の賢者のように、
カラスのような黒くて長い衣に身を包んだ印象があったが、
私はそれが同時にアナーキストの黒であることを、知っていた。
(「チェシャ猫は笑いだけを残して」より引用)
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この財団も、中沢さんのように
河合隼雄と深くつながっていた方、河合隼雄の思想をよく理解し
共有してくれていた方とのご縁で成り立っています。
河合隼雄の没後10年
美しい自然の彩りに誘われて
さまざまな思いが色づいてくるのが秋という季節なのかもしれません