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本書は大人が青年をどう「取り扱うか」について述べるハウ・ツーの書物ではない。
現代のわが国の青年の直面している問題を、共に考えてゆこうとするものである。

そのような姿勢をとるとき、われわれは自分が完成した「大人」として、
未熟な青年をどう取り扱うかなどということではなく、
「大人とは何か」「自分はいったい大人なのか」などという問題が
自分自身につきつけられていることを感じとるであろう。

そのような問題意識をもって、「大人になること」について
共に考えてゆこうというのが本書の狙いである。

                                   -本文より引用
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大人になることのむずかしさ


岩波現代文庫より、〈子どもとファンタジー〉コレクションⅤ
『大人になることのむずかしさ』(河合隼雄著・河合俊雄編)が発刊されました。

「大人」とはなんでしょうか。

子どもから大人への過渡期である思春期・青年期には
こころが不安定になることもあります。

しかし、いつしかそれを超えて、「大人」として生活している私たち。

では、私たちは、いつ「大人」になったのでしょう、いや、なるのでしょう?

5歳の子どもであっても、大人だなあ!と思うこともあれば、
還暦をすぎても少年・少女のような人だって、たくさんいます。

「大人になる」というのは、案外むずかしい問題なのかもしれません。

本書では、著者の心理療法家としての経験と知恵から、
このテーマにさまざまな側面から光をあて、
私たちが「大人ってなんだろう?」と考えるための道筋を広く示してくれています。

社会学者・土井隆義氏の、豊かな視点からの解説も必読です。