河合隼雄『おはなしの知恵』が新装版となって、このたび朝日文庫より復刊されました
本書は、河合隼雄がさまざまな「おはなし」を紹介し、それについて考察するという構成になっています
冒頭で著者が
「人間が古来からもっている『おはなし』がいかに深い『知恵』を蔵しているかを本書のなかでお示ししたい」
「『おはなし』はいろいろな考えを引き出す力をもっているので、読者と共にあれこれと考えてみたい」
と述べているように、河合隼雄流の”物語の心理学”を示した一冊といえるでしょう
桃太郎、白雪姫、七夕のおはなしといった、聞き慣れたおはなしから
「あれこれ」と考えが広がり、深まっていくような不思議な体験ができるかもしれません。
さらに読んでみたい方には
入門書として『昔話の深層』(講談社+α文庫、Kindle版)
より専門的な書籍としては『昔話と日本人の心』(岩波現代文庫)
『神話と日本人の心』(岩波書店)もおすすめです。
解説は作家・小川洋子さん(河合隼雄物語賞選考委員)です