河合隼雄『カウンセリングの実際問題』（誠信書房、1970年）が重版となりました。
河合隼雄が心理療法の基本について論じた本は多数ありますが、
この本は、特にまとまって書かれている一冊といえるでしょう。
カウンセリングに限らず、
枠を守ることと自由の関係とはなかなか難しいものではないでしょうか。
もしかすると、マニュアル通りにいかないことの方が多いかもしれません。
カウンセラーの態度について、基本的なことをしっかりとわかっているからこそ、
そこからはずれることの意味も理解できる･･･
「実際問題」というタイトルの通り、カウンセリングの原則と、それに収まらない実際のことを
深く考えさせてくれます。
このところ、河合隼雄関連の出版情報を相次いでお届けしておりますが、
本書は1970年に出版されたものでありながら、未だに「実際」に読まれ、使われている本として
貴重な一冊といえますね。