中村桂子さんの対談集、『ゲノムの見る夢』(青土社)が増補新版として復刊になりました。
この中には、河合隼雄との対談も収録されています。
中村桂子さんは、いわずとしれた生命誌研究者です。
その中村先生が1990年代前半に
さまざまな領域の専門家と対談されたものがまとめられたのがこの『ゲノムの見る夢』。
このたびの増補新版の出版に際して、茂木健一郎氏、鷲田清一氏との対談が加えられています。
復刊にあたってのあとがきでは
2003年にヒトゲノム解析プロジェクトによって、ひとまずの解析終了が宣言されたものの
ゲノムがもたらした夢は「まだまだ追いかけなければならない状態」だと書かれています。
科学という厳密な方法論の中においても
ある事実が明らかになる=単純な進歩というわけではなく、
逆にさらなる謎や問いを我々にもたらすのかもしれません。
河合隼雄との対談は「心をどう捉えるのか」
中心となる一点をもたない心の働きや、因果とは異なる関係性の話、
心の深層、そして「私」とは・・・
対話を通じてヒトという生き物の生のあり方が深められていく知的な冒険を味わえる一冊になっています。