2013年7月5日、第1回河合隼雄学芸賞の授賞式が
京都ホテルオークラにて行われました。
第1回の受賞作は藤原辰史さんの『ナチスのキッチン』です。
授賞式では選考委員を代表して、鷲田清一氏から賞が贈呈され、
講評が述べられました。
『ナチスのキッチン』の研究としての緻密さと、そこに包摂された物語性が評価され、
最後は河合隼雄にちなんだ駄洒落が披露され、会場は笑いに包まれました。
「河合先生はきっとこう言ってくれるでしょう。
選考委員のみなさん、キッチンといい作品を選んでくれてありがとう」
続いて、藤原辰史さんから受賞のことばが述べられました。
藤原さんは、受賞作の副題が「『食べること』の環境史」であることに触れつつ、
それまで身を置いてきた研究環境の厳しさを、ユーモア溢れる語りで紹介されました。
そして、その厳しさこそが自分を鍛えてくれたものであり、
豊かさや創造性を生み出す土壌でもあることを
力のこもった言葉で話されました。