第9回河合隼雄物語賞
〈選考委員〉小川洋子 後藤正治 (五十音順)
□授賞作□
『水を縫う 』
2020年5月30日 刊行 集英社
寺地 はるな(てらち はるな)
□著者略歴□
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。会社勤めと主婦業のかたわら小説を書き始め、2014年『ビオレタ』でポプラ社新人賞を受賞しデビュー。2020年『夜が暗いとはかぎらない』が第33回山本周五郎賞候補作に、2021年『水を縫う』が第42回吉川英治文学新人賞候補作にノミネートされた。2021年「咲くやこの花賞」(文芸その他部門)を受賞。『大人は泣かない思っていた』『今日のハチミツ、あしたの私』『ほたるいしマジカルランド』『声の在りか』など著書多数。
□授賞理由□
裁縫の好きな男子高校生が、周囲の人々との触れ合いの中で、自分なりの生きるよすがを見つけていく。平凡な日常を書き起こしながら、読者をエンカレッジする小説である。
□受賞のことば□
思いもよらないことで大変驚いておりますが、この小説は世の中にたくさんある偏見とか、こうでなくてはならない、と皆が思い込んできたものに、一つひとつ疑問を投げかけてみようと思って書きましたので、大変うれしく思います。
※正式な受賞の言葉や選評は「新潮」8月号(7月7日発売)誌上で発表いたしました。